2018/10/30 00:00
谷あいの集落では、開けた土地と比べて陽当たりが悪かったり、狭くて機械が入らないなどの条件の悪い田んぼが多いです。
そういう田んぼから耕作を諦め、荒地になり獣の集落への侵入を許すこととなり、徐々に集落が荒れていきます。
昨年から谷あいの放棄地を借りて、少しだけお米を作っています。
素人の米作りを見兼ねた集落のベテランたちに、それはそれは多大なるご尽力を頂きながらなんとか収穫までできました。
早春、荒地になっている田んぼの草を刈り、燃やしているところ見守ってくれた近所のおばちゃん
このおばちゃんは家から田んぼが見えることもあり、再々声をかけては差し入れをくれました。
田んぼの縁で食べた塩のふりかけたスイカのなんと美味しいことか
川から水を引くための水路とホースが数年ほったらかされていたので、水が中々きませんでした。
水が出るまで何日も一緒に作業をしてくれたおんちゃん。
私が足を滑らせて川に浸かったときは一緒に爆笑してくれました。
少し寒かったです。
田んぼを耕す為に耕耘機を貸してくれたにいちゃんが、機械と一緒に腐りかけの橋を渡るときはヒヤヒヤしました。
シュシュポポってみんなが言う発動機を、私が汗だくになりながらなんとかかけられた時のニヤリ顔が最高でした。
代掻きが終わるまで長々と借りていても嫌な顔一つせず、掃除の仕方まで教えてくれました。
ジョレンを使った畦塗りが意外に上手だと通りすがりのおんちゃんおばちゃんが沢山褒めてくれました。
畦塗り作業けっこう楽しいです。
仕事前後の朝夕で進めた田植えは中々終わらないで、おばちゃんたちに稲の仕上がりがバラバラになるぞと心配されました。
手伝いに来てくれた友達から苗が分けつすることを教わり、稲の生命力ってすごいんだなと思いました。
初めて田植えをしたって言う友達からは何かやたらと褒められて少し恥ずかしかったです。
除草剤の散布を受け付ける集落営農の人から、ホントにしなくていいのかと心配されながら、手での除草作業を行いました。
案の定、あっという間に草まみれ
色んな草と一緒にアメンボ、オタマジャクシ、イモリ、クモ、田んぼの中で色んな生き物が暮らしているんだなって毎朝草を引きながら眺めていました。
豪雨で水を引いてる川の小石が動いたり、葉っぱや枝が詰まって水が来なりました。
丁度、中干しと言われる、稲に根を張らせるために田んぼを干す時期でした。
慌てて水を確保しようとする私に、そのことを教えてくれたおばちゃんはいつも少し怒ったように喋るけど、凄く親切です。
でもこの中干しで、カエルになりきってなかったオタマジャクシを沢山死なせてしまいました。
収穫まであと少しというときに、周辺でイノシシが出始めました。
私の田んぼは無事でしたが、1区画マルッと被害にあったおんちゃんは、悔しかったろうに、「イノシシも食べたかったもんよ」と言って少しさみしい笑顔を見せてました。
その心、私にはまだない大きなものを感じました。
何人かの友達に助っ人を頼んでいた稲刈りは天気の都合で予定がズレてしまいました。
見兼ねたご近所さん、急なお願いでも駆けつけてくれた友人、ホントに助かりました。
手で刈って手で縛って稲木に掛けると言って、おばちゃんを呆れさせました。
なるほど、刈った後の縛る作業が物凄く大変でした。
1日では終わらず、翌日急遽機械を出してもらって何とか終わりました。
米を作った田んぼは陽当たりが悪いからと言って、私の家の前のとても陽当たり風通しのいい田んぼのおんちゃんが干し場を提供してくれました。
干し場を貸すということは、稲以外の雑草の種も持ち込んでしまうことを意味します。
毎朝、車で来て草の処理、朝露の処理をして丁寧に世話をしていたのを知っていたので、この申し出がどれほど私を想ってくれてるかがわかりとてもありがたく思いました。
稲を干すための稲木の材料を切り出させてくれた裏山の所有者のおんちゃんは、いつも太陽のように笑ってくれます。
竿が足らず、鯉のぼり用の竿を貸してくれたおばあちゃん、孫がみんな女の子で出番がなかった竿じゃがはははと笑いながら貸してくれました。
干す作業をしていたらいつの間にか、いつも見守ってくれてたじいやん、おばちゃん、おんちゃん、おんちゃんを迎えに来たおばちゃん、、、と地元の人5人がかりで手伝ってくれてました。
みんなは今は機械で全て済ませていますがかつては家族総出でこの作業をしていた人たち。
昔はね〜なんて切り出しから色んな昔話をしながら、作業の工程の中に垣間見える昔の知恵や工夫を教えてくれます。
乾燥機なら一晩、天日で2週間
ゆっくりじんわり乾かしたお米の脱穀作業に、同じように稲木米をしているおんちゃんが機械を持って手伝いに来てくれました。
作業が終わったあと、おかえしに野良仕事を手伝いに行ったのに、成っていたアケビやメロンを逆にご馳走になってしまいました。
少しだけど自分で米を作っていると言ったら、少しずつ精米した方が美味しいからと言って、籾摺りと精米ができる機械をくれたおんちゃんがいました。
車で家まで届けてくれて整備の仕方を教えてくれて、工具一式と沢山の差し入れをくれました。
出来上がりを見て、除草剤も農薬も使わずにできるわけがないと言っていたおんちゃんが感心してくれたのも大きな収穫です。
ちいさな木こりのおすそわけ米は沢山の思い出とみんなの優しさが詰まったお米です。
少しの田んぼで少しの量しか作っていないので、本当にお裾分け程度の数量ですが、少しずつ色んな人に食べてもらいたい、山間地の恵みを味わってもらいたいです。
新鮮なお米を届けるため、ご注文受付後に籾保存しているものを精米します。
精米は玄米から12分付きの13段階で承れます。
ご指定が無ければ10分付きの白米をお届けします。
精米の際に出る籾殻、米ぬかもご希望があれば同梱します。
プランターや家庭菜園、ぬか漬けにご利用下さい。